「障害者」の定義

相模原市の障害者施設殺傷事件から一年が経ちました。被害に遭われた方々のご親族やご友人の言葉がニュースに並びますが、いたたまれない気持ちになります。

衝撃的な事件からの一年は、世間の「障害者」に対する関心が高まった一年でもあったと言えます。

 

 

私も「障害者」について考える機会が増えましたが、そもそも「障害者」という言葉が何を指すのかを理解することがなかなか難しいと感じています。

 

そこで、基本的な理解をするために、日本の法律における障害者の定義を確認してみたした。

 

法律における「障害者」

障害者基本法第2条によれば、障害者とは、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、継続的に日常生活又は、社会生活に相当な制限を受ける者」である。

2004年の付帯決議により「てんかん及び自閉症その他の発達障害を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、継続的に生活上の支障があるもの」がその定義に含まれた。

法律上定義される障害者は、おおまかに身体障害者知的障害者精神障害者発達障害に分けられている。それぞれの定義は、それぞれの障害に対する福祉施策を定める法律において定義されており、その定義は以下の通りである。

 

 身体障害者は、身体障害者福祉法第4条において、「別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたもの」と定義される。法別表では視覚障害聴覚障害、肢体不自由、心臓・腎臓・呼吸器の機能障害者等の障害の種類が示される。

 知的障害者の法的な定義はなされておらず、都道府県が発行する「療育手帳」によって認定される。厚生労働省が行っている知的障害児(者)基礎調査では、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義される〔柿木 2006:218〕。

 精神障害者は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律において、「統合失調者、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう」と定義される。

 発達障害者は2004年に成立した発達障害者支援法によって法律上はじめて定義された。この法律の第2条第1項において、発達障害者は「自閉症アスペルガー症候群その他広汎性発達障害学習障害、注意欠落多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう」と定義されている。

 尚、身体障害者の定義に「18歳以上の者」と記されているのは、18歳未満の障害者への支援が、児童福祉法によって行われている為である。「身体障害者」以外の障害者に対する支援も18歳未満の場合は、児童福祉法によって行なわれる。

 

(参照文献)

柿木 志津江

2006 「障害者福祉」 『社会福祉概論』 小田兼三、杉本敏夫(編)、pp.213-220勁草書房

 

以上のように、法律上でも「障害者」の定義は明確であるとは言えず、境界線が引きにくい概念です。見えない障害も多くあることが想起されます。

だからこそ難しく、人によって捉え方が異なってしまうものなのではないでしょうか。実態を知るために、「障害者」に接したり「障害者」親族が書いた書籍を読んでいきたいと思います。