Jリーグクラブ『東京ヴェルディ』を応援する理由

なぜヴェルディなのか。

 

私はJリーグのクラブ東京ヴェルディのファンです。昔はラモス瑠偉三浦知良などのスター選手を擁するヴェルディ川崎として全国的な知名度がありましたが、今は一般的な会話で名称が通じるのか迷うレベルで、2部リーグで燻る中小クラブですぅ・・・

5歳から25年近く応援し続けています。自分で衛星放送契約ができるようになった18歳からは、12年間すべてのリーグ戦を(TVまたは現地で)観戦しています。

 

周りからは「有名な選手もいないのに何でそんなに好きなの?」「強くないのに応援して何が楽しいの?」ということを聞かれます。

 

なかなか心に突き刺さる質問ですが、しっかりとした答えがあるので、ここでしっかりと説明しておきたいと思います。東京ヴェルディのファンでいることの醍醐味が少しでも誰かに伝われば嬉しいです。

 

「名門」たる所以

東京ヴェルディが最後に日本のトップリーグを戦ったのは2008シーズン。以来、2部リーグで戦い続け、トップリーグから離れて今年で9シーズン目を迎えています。

 

それでもヴェルディは「名門」と呼ばれ続け、世界的な認知度も高いクラブです。
その所以は、主に80〜90年代に積み上げたタイトルの数々にあります。

 

与那城ジョージ加藤久戸塚哲也松木安太郎ラモス瑠偉都並敏史武田修宏北澤豪三浦知良菊池新吉ビスマルクペレイラなど各年代でスーパースターを集め、日本サッカーをリードした実績(以下、参照)は、クラブに「名門」という枕詞を飾り続けています。

 

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ラモス、武田、カズ、北澤、ビスマルクペレイラ、柱谷など当時誰もが知っていたという…

国際タイトル

アジアクラブ選手権

1987/88年度

サンワバンクカップ

1994年

 

国内タイトル

日本サッカーリーグ

1983年、1984年、1986年/87年、1990年/91年、1991年/92年。

 

JSLカップ

1979年、1985年、1991年

 

コニカカップ】

1990年

 

ゼロックスチャンピオンズ杯】

1992年

 

J1リーグ

1993年、 1994年

 

Jリーグカップ

1992年、1993年、1994年

 

天皇杯全日本サッカー選手権大会

1984年、1986年、1987年、1996年、 2004年

 

FUJI XEROX SUPER CUP

1994年、1995年、2005年



日本で唯一「名門復活」を目指すクラブ

東京ヴェルディは親会社であった読売グループの撤退(2009年)に伴い、大幅な運営費削減を余儀なくされました。2008年に選手・スタッフを含め26億円を投じていた人件費は、2015年実績で3.7億円程度に大幅に縮小されています。7分の1です…

現代のビッグクラブである浦和レッズ鹿島アントラーズが2015年実績でおよそ20億円程度の人件費を投じていることからわかる通り、日本のトップクラブとは戦っているフィールドが全く異なると言えます。

 

そんな厳しい資金力で東京ヴェルディが目指しているのはあくまで「名門復活」です。すなわち、日本のトップタイトルを再び獲得すること。

経営陣・選手・スタッフ・サポーターは誰もが共通して「名門復活」という夢物語を抱いています。それは目指すというよりも、信じる・念じるに近いものかもしれません。

 

他のクラブのファンからは失笑されますが、誰に失笑されても構わないと思っています。私たちは唯一、日本中を凌駕した名門への復活を目指せるクラブです。私たちは夢のような一時を過ごしたクラブとして、そこに戻ることの意義を誰よりも感じています。そのやりがい・楽しさ・辛さを存分に味わえることが、このクラブを応援し続ける大きな理由の一つです。

 

かつて在籍した広山望が退団時に自らのブログに綴った言葉は、このクラブの使命と魅力を表しています。

サッカーをキャンバスに喩える事があるが、それならばヴェルディは既に一度完璧に完成された絵だ。Jリーグの歴史が続く中で、人間が入れ替わりつつ、それぞれが日々一筆ずつ足して、なお絵として新たな魅力を持ち続けるというのは簡単な事では無い。

大きくバランスを崩したり何かを失ったりする事もある。ただ、大事なのはその過程を経てクラブから伝わってくる直向さやヴィジョンなのであって、そこから発せられる強いメッセージが、将来への期待や夢になってサポーターを惹きつけるのだと思う。
ヴェルディが今後もヴェルディらしくありつつも、新たな魅力の種を蒔き続けるクラブである事を期待している。 

 

頼みの綱は育成

夢物語を実現する手段ははっきりしています。それは育てた選手をトップチームで活躍させることです。資金の都合上、他クラブで活躍した選手をかき集めることはできないのですが、幸い優秀な育成メソッドを保持していました。

 

小学生年代〜高校生年代まで続く育成組織があり、毎年優秀な選手を輩出しています。育った選手をトップに引き上げて活躍させることでクラブの力を上げていく。時に育った選手を他クラブに売却し、資金力を上げていく。読売グループの撤退以降、この2軸において、育成の充実がクラブを支える基盤となってきました。

 

読売グループが完全撤退した翌年の2010年以降、数々の選手が10代でトップに引き上げられては活躍しています。和田拓也(大宮)、高橋祥平(磐田)、高木俊幸(浦和)、高木善朗ユトレヒト→清水→東京V)、小林祐希ヘーレンフェーン)、杉本竜士(名古屋)、中島翔哉(ポルティモネンセ)、前田直輝横浜FM)、吉野恭平(京都)、三竿健斗(鹿島)などです。

 

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現在は日本代表にまで成長した小林祐希

 

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中島翔哉はリオオリンピック日本代表の10番を背負った 

 

彼らは即戦力として2部で戦うチームに貢献しましたが、残念ながら1〜3年程度の在籍後に他クラブ(括弧内に記載の通り)に売却されています。多くは資金的な理由で売却せざるを得なかったと言われており、育成組織だけでなく大学経由で活躍した選手も多くが売却されました(林陵平藤田優人梶川諒太など)。

高木善朗梶川諒太は後に復帰

 

この時、サポーターは非常に辛い思いをしました。クラブで育って活躍した若手選手はどんどんと他クラブに移籍していく。特に将来を嘱望されていた河野広貴鳥栖)と中島翔哉を、ライバルクラブであるFC東京に売却したことは痛恨の出来事でした。

 

しかし、2010年以降に40名近い育成出身の若手を獲得してきた歴史は貴重な財産です。クラブを引っ張ろうとする若手のたくさんの成長を見届けることができました。これはサポーターにとっても大きな喜びであったし、応援を続ける大きな理由となりました。そして彼らがヴェルディを繋いでくれた(プレー面でも資金面でも)という事実が、このクラブを復活させたいという気持ちをより強くしていると思います。

 

潮目は変わり、再びクラブとして成長路線へ

我慢の時代を経て潮目は変わってきました。

近年では育成組織出身選手や大卒で獲得した選手を売却から守り、長期育成できる状態に近づいています。

安在和樹安西幸輝澤井直人高木大輔ヴェルディユースから昇格して在籍4年目以上であり、それぞれ100試合近い経験を積み主軸となってきています。また、関西学院大学から獲得した井林章特別指定選手時代から数えて在籍6年目を迎え、キャプテンとしてチームを引っ張る存在です。井上潮音、渡辺皓太といった育成組織出身の20歳以下の選手も変わらず起用され続けており、若手の成長を楽しめる環境はより整ってきています。

 

過去にクラブに在籍した選手達の復帰も明るい材料です。

2年間クラブを離れていたミスター・ヴェルディ平本一樹が2014年からレンタル復帰し、同年にはレジェンド永井秀樹(現・東京ヴェルディユース監督兼GM補佐)が復帰。他クラブで活躍していた育成組織出身者である田村直也(前・仙台)や平智広(前・町田)、一度はクラブを離れた高木善朗梶川諒太も再びこのクラブを舞台に選んでくれました。その他にも昨年まで監督を務めた冨樫監督をはじめ、様々なクラブOBがここ数年のクラブ運営を支えてくれています。

 

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セルタをCL16強に押し上げた名将ロティーナ 

 

クラブは今季からスペイン人の名将ミゲル・アンヘル・ロティーナ(60)を招聘。スペイン国内のカップ戦優勝、ヨーロッパチャンピョンズリーグ16強など世界的な実績を残している代表クラスの監督です。

ロティーナは昨季までに経験を積んできた在籍選手と新加入選手を上手く融合し、チームを躍進させています。昨季18位でシーズンを終えたチームは、第29節終了時点で昇格プレーオフ圏内の6位に付けています。

 

新しいヴェルディを期待できる喜び

2009年以降、クラブは存続すら危ぶまれた経営状況にあり、選手の入れ替わりが激しく、チームとしての持続性に欠けていました。

しかしながら、現在、経営は持続可能なレベルに改善し、選手やスタッフも充実してきています。クラブとしてようやく新たな魅力を描き足していける状態になってきたと感じます。辛い時期を支えてきたサポーターを始めとするクラブ関係者をにとっては、新しいヴェルディを期待できるこの状態が大きな喜びです。

 

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2017.8.20 長崎戦のスターティングメンバー。この日はユース出身が5名、学卒での生え抜きが3名。

 

まだ強くもなければ有名な選手もいませんが、栄光と挫折の歴史、歴史を繋いでくれた育成出身選手たち、クラブを支えるOBたち、新しい栄光への期待がこのクラブを好きでいる理由です。

 

少しでも興味を持っていただけたら、是非味の素スタジアムに足を運んでみてください。

 

エピローグとして

ヴェルディをより楽しむための豆知識を少しだけご紹介します。

 

勝利のラインダンス

以下の動画をご覧ください。

ホームゲームでは勝利すると選手が客席まで登ってきて、ハイタッチとラインダンスをしてくれます。子供も大人も大喜びです。監督も踊ります…


東京ヴェルディ、水戸戦勝利後のラインダンス

 

海江田哲朗

ヴェルディを追い続けるライターの海江田さん。

いつからかはわかりませんが、少なくとも2002年以降ヴェルディの記事を書き続けています。雑誌やWEB媒体だけではなく、ブログでもヴェルディの近況を伝えてくれていました。

現在は主にWEBマガジンの『スタンド・バイ・グリーン』でクラブの現状を発信しています。彼の記事によって選手や監督のキャラクターが伝わる部分も大きく、サポーター・クラブへの貢献度は計り知れません。

www.targma.jp

 

平本一樹

平本一樹は小学生から現在(36歳)までヴェルディに所属し続けていることからミスターヴェルディと呼ばれています。※他クラブへのレンタル経験あり

同学年で中学からチームメートの飯尾一慶沖縄SV)と共に各年代の代表に選ばれ将来を嘱望されましたが、そのムラがあり過ぎるプレーのせいか一度もフル代表には呼ばれていません。

飯尾とのアベックゴールによって制覇した2005年の天皇杯優勝は語り草。黄金期のジュビロ磐田ディフェンス陣をなぎ倒して決めたゴールは圧巻だったなぁ。

様々なクラブからオファーを受けてきたが、ヴェルディ愛から断り続けてきたという。そのクラブ愛と、ムラはあるものの日本人離れしたプレーからファンに愛され続けています。一時は期待を裏切り続け、チャントすら歌ってもらえなかった..

 

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裏の道を歩んできたような顔つき、相手をなぎ倒していくドリブルが魅力

 

レジェンド永井秀樹引退試合

1992年のヴェルディ川崎でキャリアをスタートし、昨年東京ヴェルディで24年間の現役生活に別れを告げたレジェンド永井秀樹。先日、彼の引退試合が行われました。

Jリーグの歴史をすべて見てきた選手だけに、引退試合のメンバーはJリーグ・ヴェルディの歴史そのものでした。

以下の記事にあるように永井さんのようなヴェルディ愛を持った方々がスタッフとしてクラブを支えてくれます。

 

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カズやラモスも登場!

 

www.soccer-king.jp