サイボウズ『働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。』を読破して

サイボウズは20周年記念コンテンツとして『働き方改革、楽しくないのはなぜだろう。』の特設サイトをオープンしました。

内山勇士作のメッセージアニメ『アリキリ』をメインコンテンツに、「働き方」をテーマとして様々なコンテンツが掲載されています。

 

cybozu.co.jp

 

新聞広告・街頭広告を使った大規模なプロモーションが行われており、ネット上でも話題となっていますね。

 

 

 

 

 

 

メッセージ性の強い広告とアニメもおもしろいのですが、何より「働き方」に関する議論がたくさんまとめられていることに価値があります。

様々な人が様々な立場から「働き方」について語る。正解もなければ、意見もばらばらですが、「働き方」についてよく考えた人の意見であることはひしひしと伝わってきます。自分の「働き方」について突き詰めて考えるための視点やヒントを得るためのメディアとしてとても価値が高いと感じました。

 

※「働き方」といえば鉄板のこちらも改めておもしろい

ほぼ日刊イトイ新聞 - はたらきたい。

 

一方でこのコンテンツを読破した(ボリュームありすぎてこの表現が一番しっくりくる)後、サイボウズに超えてほしい壁を感じました。

 

青野社長が言っている「みんなで集まって働くことが楽しいかどうか」をもっと突き詰めていってほしいな、ということです。

今のコンテンツは「働き方」に対する様々な視点があることがわかってとてもおもしろいのだけれど、「みんなが集まって働くことが楽しい会社」と「みんなが集まって働くことが楽しくない会社」のどこがどう違うの?という点は霧に包まれたままでモヤっとしている気がするんです。

 

もう一歩踏み込んでいうと、両者の文化(価値観・ルール・組織体系・情報伝達の仕組みなど)には具体的にどういう違いがあるの?ということを深堀りしてほしい。深掘りしないと、「働き方」に関する様々な意見は、それぞれのおもしろい意見が飛び交っただけになる。せっかくなら「働き方」の基盤となる組織の文化をどうすべきか?という具体的な議論に発展させてほしいのです。

 

できれば、エスノグラフィを用いてほしいなあ、と。文化人類学者が各民族の文化や仕組みを読み解く際に、参与観察によって情報収集をして後に集めた情報をもとに文化をモデル化したのと同じように。企業に仮入社して参与観察した結果をまとめて記事にしたら鳥の視点(俯瞰した視点)と虫の視点(接近した視点)が持てて、とてもおもしろいことがわかると思うんです。

 

実際には、この会社はみんなが楽しく働いていて、あの会社はそうじゃない、というのは定義できないので、まずは、日本企業と外資系企業の違いを参与観察から紐解くってテーマがおもしろいんじゃないかな。日本とドイツであれだけ生産性に違いがある背景は誰もが気になっているところだと思うんです。行動様式が明確に違っていて、行動様式を決める文化が明確に違うはず。そこは外からじゃあ見えない。

 

外から見える制度や社長インタビューなんかで紐解くんではなくて、実際その会社で一定期間働きながら観察した情報をもとにどこがどう違うか比較してみたい。

 

・突発トラブルへの対応判断のプロセス

・上司から部下への指示の出し方

・サービスの期待値のクライアントへの伝え方

・価格交渉における値下げのプロセス

 

などなど、比較すると全く違う価値基準で判断が下されていて、それが生産性や職員の働き方につながっていると思うのです。それを「働いてみたらこうでした」と言えるコンテンツがあれば「働き方」の議論が一気にブレイクスルーするはず!

まあ「研究者がやれよ」って話でもありますが、サイボウズさんがやった方が一般にわかりやすく発信できると思うんだよなあ。

 

好き勝手書きましたが、これからもサイボウズさんのおもしろい「働き方」コンテンツに期待しています。